中国では自転車文化が復興している。
GDPがうなぎ昇り、経済的に豊かになり、車が激増して自転車時代は完全に衰退したかに思われた。
しかし現在中国は共享单车というサービスによって自転車が溢れかえっている。ニュースによれば2017年の初頭で既に50の都市に300万台を配置したとのこと。結構面白い現象なので、どんなサービスか紹介したい。
共享单车ってどんなモノ?
簡単に言えば、アプリを利用して道端に転がっている自転車をレンタルするというモノ。
共享单车(レンタサイクル)を提供している会社はこんな感じだ。
25社以上が新規参入して激戦を繰り広げているらしい。因みに摩拜とofoが市場の80%以上を独占している模様。
アプリは高性能でGPSで移動距離を確認出来たり、総合乗車時間や消費カロリーも計算してくれる。
料金は?
料金は各社によって若干の違いがあるがこんな感じ。
- 押金(保証金)が99-299元
- 利用料金は30分/0.5元から1元
先ず頭金をAlipay(支付宝)もしくはWeChatで支払って、保証金とは別に利用料金をスイカみたいにチャージする。
現時点の日本円に換算すると約8円で30分自転車に乗れるという換算(2017年5月現在)。中国の物価からしても利用料金はかなり安い。
自転車の性能は?
各社乗り心地や、仕様に特色がある。この市場の二大シェア会社を比較するとこんな感じ。
摩拜单车(Mobike)
- かなり作り込んである
- チューブレスタイヤで、パンクは皆無
- ロックは電動式のオートロック
- GPSとロックに使う電源はフロントのダイナモから確保
- フレームの溶接も頑丈そのもの
耐久年数を4年に設定しているらしい。その分原価もお高い。摩拜の第1世代は約3000元。第2世代(カゴ付きの軽いヤツ)は約1000元とのこと。乗り心地はあまり良くない。一言で表現すれば「重い」第2世代からは少し軽くなった。
ofo单车
- 普通のママチャリ
- チューブレスではない
- ロックは手動
- カゴもない
良さそうな所がないように聞こえるが、乗り心地は一番良い。自転車本体が軽く、サドルの高さも調節出来る。因みに第1世代の原価は約230元とのこと。
中国人はどう利用しているの?
基本的にはちょい乗りで使用しているケースが多い。3キロ圏内なら、時間帯によってはバスよりも早いし、待ち時間にイライラする必要もない。そしてバスよりも、タクシーよりも利用料金が安い。20キロ前後の道のりを通勤で使用している強者もいる。
大きいデパートや、マンションの警備員の足となっていたり、大学生なんかは家に乗り入れて完全私用化している人もいる。(規則違反です)
管理人も今やバスに乗ることは殆どなくなってしまった。もちろんいい事だらけではないんですよね。
どういう影響が?
問題は色々ある模様。
最近は乗り手のマナーの悪さ故に、故障車がよく見られる。パーツの盗難や故意に破壊されるなど、特に不法投棄がニュースで問題として取り上げられている。
少し型が古い自転車はペダルが壊れていたり、ステム周りに異常があったりするケースが多い。僕も壊れているとは知らずにアプリでピピッと支払ってしまった事が何度かある。
会社の運営方法についても突っ込まれてます。共享单车の押金つまり頭金はいつでも自由に返金手続きが可能。しかし、実際の料金は1ヶ月毎日乗っても30元にも満たないわけで、自転車の原価、サービス料金を合わせても採算が取れてるとは言えないとのこと。
日本では法律の問題と土地の広さの関係上先ず不可能なサービスだけど、経営モデルとしてはなかなか面白い。
中国に立ち寄った際には跨いで見てください。AlipayもしくはWeChatPayの設定をお忘れなく。