アウトライナーは単純で強力なツールだ。少し頭を使えば物書きだけでなく、タスク管理にも、簡単なTo-do, プロジェクト管理、共有ノート代わりにも使える。
「文章」を扱うタスクはほとんどアウトライナーで完結出来る。僕のアウトライナーレベルはドラクエⅠで例えるなら、岩山の洞窟で、「がいこつ」強いわーって言ってるレベルだ。試行錯誤を繰り返して使っている最中。
iPadがあれば、どこでもすぐにアウトライナーを立ち上げられる。使いやすいキーボードがあったらなおさら便利だ。PCを持ち歩くより軽く、気持ち的な障害も少なく作業に取り掛かれる。
アウトライナー・アウトライナー風のアプリを8個紹介しよう。
iPad アウトライナー8選
Workflowy
アプリとして性能はいいかと言われると、ユーザーフレンドリーではない。というか、ブラウザー画面をそのまま開いた生Workflowy状態だ。タグや検索等ブラウザで出来るコトは問題なくiPadでも操作可能。Chromeを使ってStylishでCSSをイジっている人はなんか懐かしい感じがするかもしれない。画面のロック機能だけでいいので付けて欲しい。
Handyflowy
上記の裸Workflowyに洋服を着せた感じ。文字の大きさや、背景色、自分で作ったCSSもインストール出来ちゃったりする。あんまりメジャーじゃないWorkflowyの為にここまで骨折ってくれた作者に感謝だが、インターフェイスがもっと簡潔で分かりやすかったらスムーズなのに。ただ、こちらのアプリはロック機能もあるし、文字も大きく出来るから文句を言わず使っている。そう言えば、海外のWorkflowy伝道者フランク先生もこのアプリに言及していたなぁ。
幕布
中国で変異したWorkflowy。クラウドベースだが、オムニアウトライナーのようにフォルダ管理が出来る。機能はWorkflowyと同じで、バレットの入れ替えもこなせるし、フォーカス機能も付いている。更にはMindMap風に表示を切り替える事も可能。そしてフラットな今時のデザイン。因みに有料会員価格は、1ヶ月12元=200円くらい。
余談だが、Workflowyが使っているAmazonのサーバーは中国だと繋がりが物凄く悪い。ほとんど繋がらない事もあるのでVPNは必須。そんな背景からこういうアプリが出てきたのだろう。因みにWorkflowyは中国でそこそこ人気のアプリだ。中国のAppStoreでも五つ星マックスでレビュー数も多い。中国人の考え方、言語的にもアウトライナーはしっくりくるのかもしれない。
Omnioutliner
高級アウトライナー。iPadで唯一と言っていいトラディショナルなアウトライナーだ。ファイル毎に管理して、色んなアウトライナーのフレームが使えるし、自分でカスタムも出来る。録音データも埋め込めるので会議なんかにも使えるかもしれない。
こればっかりは用途によるのかもしれないが、僕は清水寺を飛び降りる勢いでMac版とiOS版を購入したが結局今はWorkflowyしか使っていない。
iPadで使う事が前提として、開く度にわざわざファイルを選ばないといけないこと、表示されるバレットと行間が「重い」感じがするし、何よりもクラウドサービスとの連携が悪い。ベータ版としてDropbox, iCloudと連携しているが、正式対応していないので独自のクラウドサービスの利用は必須だ。昔からアウトライナーを使ってきた人にはとっつきやすいのかもしれない。
Outlinely
Macでも使っていたOutlinely。Macアプリは1年くらい前にUIを刷新してかなり現代風になった。iOSはサブスクリプション式なので安くはない。
フォルダ管理型だが、iCloudとの連携もバッチリだ。基本的なアウトライナーの機能は揃っている。バレットの移動、フォーカス機能(バレットを長押し)、バレットの折りたたみももちろん出来る。フォントも文字サイズも変えられるし、行間の調整も可能だ。タグが使えるのは嬉しい。
Markdownも使えるのでキーボードショートカットアプリと併用して簡単にブログも書けてしまう。Markdownを使えるようにしたコトを考えるとある程度、サービスを展開させて行く方向性を定めた感じがする。個人的にはオムニアウトライナーより使いやすいし、UIも綺麗で書くことに集中出来る良いアプリだと思うんだけど。特に全画面表示は「シェイク」する時に集中出来る。
Outliner (Carbonfin)
公式ページでは、考えと、タスクとプロジェクトをまとめるためのアプリとある。ブラウザ版もあるようで、Dropboxでシンクロ出来可能だ。フォルダタイプのアウトライナー。バレットの入れ替えも出来るし、折りたたみも可能。しかしフォーカス機能は付いていない。個人的には文章を書くことには向いていないように感じる。タスク管理の為のアウトライナーといった感じ。600円は高いなぁ。
Ideament
相関図表示が出来るアウトライナー。どちらかと言うと相関図がメインだ。バレットの入れ替えも、折りたたみも出来る。アウトラインをぱぱっと書き込んで相関図を作りたい時に使っている。2つの視点で文章の構成内容を見れるので面白い。UIも非常にシンプル。ただ、ファイル表示画面が少し使いにくい。無料版もあるので先にそっちを使って欲しい。
Cloud Outliner
使用者が結構多いアウトライナー風アプリ。Carbonfinと基本的に似ているが、Cloud OutlinerはiCloudとEvernoteと同期出来る。リーディングモードも用意しているので、Cloud Outlinerは文章を書くことも考慮に入れている。Mac版のアプリも提供していてシームレスで編集が可能らしい。僕はiOSのアプリしか使ったことがない。オムニアウトライナーとか、Workflowyの利用料金を毎年支払う事に比べたらハードルは低いかもしれない。僕は使うことはないが、用途によっては有りかもしれない。
Dynalist
Workflowyに無かった部分を補完したアウトライナー。Workflowyに関わるプロジェクトに参加していたメンバーがスタートしただけあってベースはWorkflowyそのもの。Googleカレンダーとの連携、カラーラベル機能、ファイルを添付(プロ版のみ)、Markdownに対応、カスタムショートカット、リーディングモード等、Workflowyに無かった機能が追加されている。なによりも大きな違いがオムニライナーのようにノートを個別に管理出来るという点。
Workflowyには無かった機能の大部分はプロ版(年間$95)じゃないと使えないが、無料版でもバレットは無制限に使える。これからどういう方向でこのサービスを展開していくのか興味深い。
番外編
バレットの折りたたみも、入れ替えも出来ないけど、アウトライン風にノートが取れるアプリをご紹介。
Evernote
Evernoteでもアウトライナー風の記述が可能だ。ただ、iOSのデザインを刷新してから最高に使いづらくなった。個人的にはこのEvernoteのインデントまでたどり着く手間が最高の改悪だと思う。Evernoteを卒業したいが、卒業後の就職先が決まらないので未だに現役。
Word
構想を練りきった後に、清書する際に使えるWord。バレットの入れ替え、折りたたみは出来ないが、アウトラインを書き出していくだけならiPadアプリは十分使いやすいレベルにある。
Notability
ノートアプリだが、Evernoteのようにアウトライナー風の記述が可能だ。音声も埋め込めるので会議なんかでひたすら録音しながら打ち込んでいく際に便利に使えるアプリ。
一応上記アプリ全部iPhoneでも使えます。大きいiPhone以外だと画面が小さくて使いにくいけど。現在僕はWorkflowyとHandflowyしか使っていない。
アウトライナーの使い方を知りたかったらこの本がオススメ。ドラクエで言えばロトシリーズ完全装備で軽々竜王を倒せるレベルな人が書いている。
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