僕はiPadでペーパーレスを目指してから早5年が経つ。紙は紙の良さがあるが、iPad Proに変えてから紙の良い点も薄れてきた。ペーパーレスと一言で言っても仕事によってどうやって、何をペーパーレスするかは異なるだろう。
4つの項目に分けてそれぞれiPadを使ってどういうアプリを使って作業すればいいのか紹介しよう。
*iOS11とiPad Proをベースに記事を書いています。
1. 紙・Web・オフィスファイルをPDF化する
文字通り、ペーパーレス化をするためには用意に編集可能なデータへの変換は欠かせない。現状ではPDFが無難な選択肢だろう。僕は次の方法で、紙・ウェブサイト・オフィスファイルをPDF化している。
紙→PDF
僕は主に2つの方法で利用している。
① 本や雑誌等量が多い場合
書籍読み取り用のスキャナーを使う。
[amazonjs asin=”B001QXCZ12″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500″]ScanSnapには本当にお世話になった。今まで500冊以上を自炊して本棚を整理してくれた。自炊(本や漫画を自分でPDF化すること)をしてくれるサービスも存在するので、めんどくさい人は書籍を送れば自動的にデータ化してリンクを送ってくれる。
特に海外にいる人は便利極まりない。Amazon等から直接購入して自炊会社に送るとダウンロードリンクを送ってくれる。世界中のどこからでもデータの受取りが可能だ。
参照スキャンピー
参照BOOKSCAN
② 領収書や、メモなど量が少ない場合
ハンドスキャナーという方法もある。しかし、僕はもっぱらScanner Proというアプリを使っている。カメラ系のスキャナーは色々あるが、このアプリより出来のいいスキャナーは他に知らない。
このアプリの良い点は、スキャナーの性能も去ることながら、Dropbox, Google DriveやiCloudと同期出来る点だ。検索能力も高い。
デフォルトのカメラで取ってもいいが、誰かに渡す可能性があったり、注釈を入れたい場合はScanner Proを使えば自動的にPDFで保存してくれるので便利だ。
鮮明度はこんな順番だ。
- ペーパースキャナー(ScanSnap等)
- スキャナーアプリ
- デフォルトカメラ
ウェブサイトをPDFへ
僕はウェブサイトをPDF化する時に2種類の方法を使い分けている
① ブラウザーを使って
この方法は特にアプリをダウンロードする必要がない。こんな手順でウェブサイトをPDF化出来る。
基本的に見たままの状態をPDF化してくれるし、文字認識された状態でPDF化してくれるのでPDF上の文章をコピーして使う事も可能だ。特殊な用途でなければコレで十分だろう。
ホームページによってはリーディングモードという文章だけを表示させる機能に対応しているウェブサイトもある。
Safariを使っていれば、アドレスバーの左側のアイコンをタップしてリーディングモードに切り替えて、上記の方法でPDF化することも可能だ。よりシンプルなPDFを作成出来る。
② ホームページ全体を一枚に
上記の方法だと自動で数〜数十ページに分割される。ShotWebを使えば一枚の長いPDFを作成してくれる。Webのデザインや翻訳、仕様書を書く時なんかに重宝している。
オフィスファイルをPDFへ
どういう風にオフィスファイルを管理し編集してるかによるが、Apple純正のアプリNumbers, Pages, Keynote、Microsoftの純正アプリはデフォルトでPDFに変換して共有する事が可能だ。
Googleのスプレッドシートやドキュメント、スライドはデフォルトで変換する機能はないが、プリントからPDF化も可能。
PDF Converterを使う方法もある。Documentsと同じReaddleが開発しているのでバグも少なく安定して使えるアプリだ。
PDF Converterは基本的になんでもPDF化出来る。例えば、ウェブページ、連絡先、写真、メール等だ。但し、直接連携出来るクラウドサービスがiCloudとDropboxのみなので注意して欲しい。
2. データを共有・管理する
PDFをどう管理するかでペーパーレス化が便利だと感じるか否かが決まる。この管理については人それぞれ考え方が異なるだろう。僕は出来るだけアプリやクラウドサービスは一本化したい人間だ。
メインのファイラーアプリは?
先ずデータを管理する母艦ファイラーアプリは、Documentsを使っている。正直これよりいいアプリが見つからない。クラウドのハブとして、データを一元管理する為に現状最高のアプリだ。
Documentsを使う場合、PDF Expertをダウンロードして欲しい。
PDFをに注釈を入れる、PDFにパスワードを付ける為にも必須だ。更に課金すれば、PDFフォームを作成したり、ハイパーリンクを付けたり出来る。
個人的に嬉しいのが、PDF Expertを買えばDocumentsの機能が拡張して、いわばPDF Expertが2つあるような感じでアプリを扱える。
スプリットビューを使えば、データを入れ替える事無くそれぞれのアプリで作業出来るので効率アップ間違い無し。
オフィスファイルを編集・管理するために
「ペーパーレス化」が前提なので、PDFとオフィスファイルをメインに話を進めよう。Documentsは確かに注釈も出来るし、動画再生も可能だが、主にクラウドと他のアプリを繋ぐハブとしての役割が強い。
PDFはそのままDocumentsで扱えるが、オフィスファイルの閲覧は出来るが編集は出来ない。
そこで、オフィスファイルを扱うためにこんな組み合わせが考えられる。
- Google Drive→Google スプレッドシート、Google ドキュメント、Google スライド
- Dropbox→Excel, Word, Powerpoint
- iCloud→Numbers, Pages, Keynote
それぞれiOSのアプリで長所・短所はあるがややこしいマクロを使ったExcelファイル以外はなんとかなるだろう。
Documentsは今挙げた3つのクラウドサービスと同期・編集が可能だ。なので、オフィスファイルとPDFをDocumentsで一元管理が出来る。オフィスファイルの編集は上記に上げた各種アプリで行い、閲覧・共有はDocumentsから行うといった具合で作業出来る。
そうそう、クラウドサービスの共有リンクをDocumentsから入手する事も出来る。
3. ノートを取る
ノーマルのiPadを使っている人は、紙の方が正直ノートを取りやすいかもしれない。iPad Pro+ApplePencilを使っていれば紙と大差なくiPadでノートが取れる。ペーパーレスの真骨頂。目的別に僕が使っているアプリを紹介しよう。
会議・セミナー
有名なアプリなので使っている人も多いだろう。縦スクロール式のノートアプリだ。上記で言及した3つのクラウドサービスにも対応している。
特にこのアプリが会議・セミナーに向いている理由は録音しながらノートが取れる点だ。6時間以上の講義でもへっちゃらだ。
Evernoteも可能だが、正直現在のEvernoteのiOSアプリは使いにくいし、安定していない。Notabilityは文字の書き込みもスムーズだし、録音もワンタップでスタート出来る。キーボード派にもオススメ。簡単なアウトラインも打ち込める。
録音機能はないが、横スクロールが好みであればGoodNotesもオススメ出来る。ファイル管理画面は使いにくいが、書き味は最高。
勉強・学習
最近使い始めたアプリ。PDFの教科書やManualを読みながら・注釈を付けながら、スタディノートと呼ばれる別のノートにメモやメモクリップを残す事が出来きる。
主に手書きがベースだが、開いているPDFの画像や、文章をジェスチャーですぐに移せるのは凄い。スプリットビューだと左右に表示されて画面をフルで使えないが、Flexcilは上下に表示されるので手書きの良さを最大限に利用出来る。
教科書やマニュアルのまとめを作成したり、論文や参考書の要約を作成したい時に便利だ。
DropboxとiCloudにも対応している。
ホワイトボード的な使い方
こんなに素晴らしいアプリが無料で提供されているのは嬉しい。ホワイトボードとして使えるし、写真に書き込みしたい時なんかにも重宝する。クライアントに「こんな感じ」って見せる時なんかも、ぱっと立ち上げて、ささっと見せられる。
多用途(iCloud限定)
Apple純正のメモアプリもシンプルながらも機能が充実している。僕はEvernoteを卒業する為の一つの候補として考えている。手書きも文章の書き込み、PDFをメモアプリに移して注釈も出来る。
上記で述べた、開く→プリントの方法、もしくはPDF ConverterがあればPDFへの変換も簡単だ。ウェブクリップと録音が出来ない事がネックだが、ウェブクリップはPDF化したページを読み込む事で代用出来るかもしれない。
iCloudユーザー限定だが、共有機能は地味に便利だ。同時に違う人と同じメモを編集出来る。ただし、Documentを母艦とする方法とは現時点で相容れない。
Documentsに比べると機能が限られるが、メモを母艦とする方法も一つの手だ。
4. PDFに編集・注釈を入れる
マニアックな機能を求める人でなければ、PDF Expertで何でも出来る。例えばこんな感じ。
- PDFにマーキングする
- コメントを書き込む
- メモ付箋を付ける
- 署名する
- 画像やスタンプを埋め込む
- 音声を埋め込む
- フォームに入力する
ノートも作成出来るので、白いページ、や横線が入ったノートを作成することも。
個人的には一般的な注釈であればPDF Expertで事足りる。課金をすれば、PDF上の文章書き換え、ハイパーリンクの編集、文章の墨消し機能を拡張出来る。
ちなみにハイパーリンクを編集出来るiPadアプリはほとんど存在しない。使いやすいカタログや、マニュアルを作成するときなんかに便利。
注釈だけでいいという人
僕は何度も読み返すような資料に注釈を加えたい場合、GoodNotesを使っている。PDF Expertとの大きな違いはマーカーと文字の書き味が良い点と、PDFの指定箇所のスクリーンショットが取れること。
ただし、GoodNotes独自のデータで保管されるので、PDFに書き出ししないといけない。こだわらなければ大差がないので、PDF Expertだけで十分だ。
ペーパーレス化へ作業にわけてアプリと方法を紹介したが、アプリを使い慣れない内は少し作業しづらいかもしれない。しかし、使い慣れれば非常に便利で、効率化へ繋がる。僕も色んなアプリを購入して来たが、業務で使えるレベルのアプリは限られている。
色んなアプリに手を出すよりも、iPadで何が出来るか、何をしたいかを明確にしてアプリを選択していった方が効率がいいだろう。